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椅子取りゲーム

人が結婚するのは誰かを”見つけた”からではない。結婚は宝探しではないのだ。それはむしろ椅子取りゲームに似ている。独身であることの音楽がストップする時、どこであれ人はそこに座るのだ。

男性の「生涯未婚率」が急上昇

ヤフーニュースに興味深い記事が載ってましたので転載致します。

 

50歳までに一度も結婚しない人の割合を表す「生涯未婚率」が上昇し続けています。最新の2015年は男性が23.4%、女性が14.1%でした。1980年と比べて男性の未婚者の割合は約10倍、女性が3倍に膨らんでいます。

上昇のきっかけの一つは86年に施行された男女雇用機会均等法だといわれています。男女の採用差別が禁じられたことで賃金格差が縮まり、男性に頼らず自立できる女性が増えたのです。

最近目立つのは男性の未婚率が急上昇していることです。5年ごとの国勢調査を基に計算される生涯未婚率は、85年までは女性が男性を上回っていました。これが90年に逆転、今は男性が女性を約10ポイントも上回っています。

バブル崩壊後、不安定な非正規雇用に就く男性が増えました。経済的な安定が得にくくなり、結婚をためらう人が増えたというのが一般的な説明です。しかし経済的な事情が背景であるなら、男女とも同じように未婚率が上がるはずです。男性だけ突出して上昇している理由をニッセイ基礎研究所の天野馨南子研究員は「再婚が背景にある」と説明しています。

15年に結婚に占める再婚の割合は27%まで高まりました。そして再婚数は男性が女性を1万8千件ほど上回っています。初婚の女性と再婚する男性が増えた一方、一度も結婚しない男性の割合が高まっているのです。これが生涯未婚率の男女格差の真相のようです。

心配されるのが、男性が単身のまま年をとることです。みずほ情報総研の藤森克彦主席研究員は、60代男性の単身者の割合が05年の約10%から30年には20%まで高まると推計しています。天野さんは「女性よりも孤立しがちな男性の単身高齢者が増えるのは社会不安につながる」と指摘しています。家族の支えがないといざという時に福祉に頼るほかなく、その態勢は十分ではないためです。

今のところ決め手となるような対応策はありませんが、一橋大学の北村行伸教授は「高齢者のカップル形成を支援するのは意味がある」と話しています。若者の婚活支援ばかりでなく、高齢者の恋愛をもっと応援すべき時代なのかもしれません。

■北村一橋大教授「未婚率上昇、自然な流れ」

 未婚率の上昇をどう考えたらいいのか。結婚を経済学の観点から研究している一橋大学経済研究所の北村行伸教授に聞いた。

――なぜ未婚率が上昇しているのでしょうか。

「日本人がほとんど結婚するようになったのは、明治維新以降に富国強兵のスローガンのもと、政府が兵隊を増やすために出産を奨励したからだとみられる。国策を背景に見合い婚が普及し、社会的なプレッシャーもあってみんなが結婚するようになった。しかし現代は国策という規制がなくなり、結婚市場は自由化された。市場が自由化されれば、2~3割が結婚しないのは異常ではない」

「現代は独身でいても不自由なく生活を送ることができる人が多くなった。ノーベル経済学賞をとったゲーリー・ベッカー教授は結婚に経済的なメリットがあるとして理論を構築したが、結婚が独身に比べて経済的メリットが大きいとは必ずしもいえない」

――とはいえ、単身の高齢者が増えると社会保障が心配だ。

「たしかに貯蓄が少ない高齢者が増えることが想定されるので、社会保障による手当てが必要になる。日本ではかつて、結婚しない女性が尼寺に入るなど、社会の主流から外れた人を受け入れる仕組みがあった。現在でも新たなセーフティーネット(安全網)を検討すべきだろう」

――未婚化は少子化ともセットだ。

「世界をみれば、フランスや北欧など結婚しなくても子どもを育てられるのが常識だ。日本でも現実には結婚前に子どもができる『できちゃった婚』が増えている。日本でも将来は婚外子を認める風潮になるかもしれない」

――結婚したいという人への経済学的なアドバイスはないか。

「今はお見合いの代わりにインターネットを使った結婚紹介業が普及している。経済学の中には望ましいパートナーを選ぶための『マッチング理論』というのがあり、一部の結婚紹介サイトでは理論を使ってパートナーを選べる時代だ。ただ本当に結婚したい人はそうしたサイトをもう利用しているはず。そうではない人に結婚を強制するのはおかしいことだろう」
(高橋元気)

応える

「思いどおりにならないけれど、きっとこの愛に応えてくれる」と男性に思いこませるすべを心得ている女性は、男性について最大の支配権を握っています。